小説 運タマギルー 31

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り。それらが円陣を作ってギルーを囲います。それからそれから、徐々にですが円陣が狭まってきますよ。これからギルーは袋叩きにあってぼこぼこのギッチョンです。さあ、どうしたどうした。

万事は休したかのように思えた時、小声が届きました。

棟梁、ここから逃げて下せえ。それしか方法がございませんきに。どうかお逃げ下せえ。おねげえします。逃げてくださいな。

次第に円陣を組んだ者ら全員で小声を発します。

逃げておくんなまし、棟梁。

「やあ! 棟梁改めギルーよ! ここじゃ狭い! 表で勝負じゃ!」

ギルーを囲った円陣は解放されましたよ。ギルーはしぶしぶ表へ出ます。それから用心棒たちがゆっくりと円陣を組み直そうとしたその時、ギルーはとっさに走りました。逃げたのです。

野郎! 待ちやがれ!

叫びはするものの、あくまでもそれらは演技でしかありません。用心棒たちは途中で追うのをやめてから、ギルーが視界から消えるのを待っていましたよ。

ギルーは思います。

おまえら、おおきに。アンダー! アンダーよ! 必ずや助けてみせるからのう! 必ずや、必ずや、助けだしてみせようぞ。はあはあはあ……。

「ただ今帰ったぞ……」

おや? ご主人様? ひとりですか? アンダーさんは? 家来はどうしたんです?

ああ……。それがじゃな……。

もしかして! 捕まってしまったのですか?

うむ……。

え? ほんとうですか?

そうじゃ、捕まってしまってのう。じゃが心配はいらん。一晩寝て、明日の夜、力ずくで迎えに行くけんの。大丈夫じゃ。

何をおっしゃるんです! だめですよ! それじゃご主人様も捕まってしまいます。そのあとわたしにどうしろというんですか? ご主人様、おねがいです。そこまで考えてください。アンダーだけではなくてわたしもいるんですよ。

わかっておる! じゃあ、わしにどうしろというんじゃ!

「ご主人様、おねがいです。わたしを抱いてください……」

「小娘よ、それはならんぞ。女がそういうことを発するものではない」

「わたしだって女です! もう大人の女なんです。それから小娘と呼ぶのはもうやめてください! わたしにだって名前があるのですから。ベッキーって優しく呼んでくださいますか?」

「悪かったな、ベッキーよ。貴様、毛も生えておらんくせに抱かれたいのか?」

「剃毛しただけです。ほんとうはごっそり生えているんです」

大した女じゃな。けだものの男が怖くはないのか?

いいえ、怖いです。でも、けれども、ご主人様はわたしをお救いになってくれたから……。わたし、あなた様に今すぐ抱かれたいのです……。

今宵はギルーにとって訳のわからない日となりそうですよ。先ほどまで必死で逃げ帰ったかと思えばご褒美付きときたもんだ。

これには何か罠でもあるまいか?

ギルーは思いますが、目の前の裸体なる乙女を眺めては、理性がいっぺんに破壊されてゆくのでした。

 

 

「嗚呼――!」

激しく”もだく”ベッキーがそこにはいる。行為の前のペッティングというやつだ。彼女は首元から、胸、腹部、背中、股、を舌で舐め回されていた。唾液が肌を湿らすたびに鳥肌が立つ。それは身の毛がよだつというものではなくて、ただ、純粋に快楽の花園を表現しているに過ぎなかった。演じているに過ぎない。しかしながら彼女は本気。そこに遊びなど一切ない。花園はやがて清水の青い泉と化す。溢れ出る官能的な汁は丁寧にギルーの舌へと伝った。

「やれ、ベッキーよ。こんなに溢れさせてどうする?」

嗚呼、そのつもりではないの。そんなんじゃないのよ。黙って聞いてくださいな。わたしは、わたしは、辱めを受けている人魚姫。魚のぬめりがそうであるように、わたしもまた、ヴァギナを濡らしているだけなのだわ。

状態は69になる。

「ほうれ、早くくわえ込んでくれ」

はい、ご主人様……。

くわえ込む。ぶっといペニスを。獣のような男根を。臭いにおいのするおちんちんを、きれいに掃除して差し上げるのだ。それがベッキーによるご奉仕。ご主人様だけに従う恒例の儀式ともいえよう。彼女は口に含んでから思い切りよく唾液を含んだ。もうとまらない。とまらないの!

「嗚呼――!」

ギルーが指を挿入した。一本入っただけでこれだ。すでにエクスタシーの頂点を極めようとしていた。あえもだく。つま先は痙攣してしまって震えたようになった。

わたしは、わたしは、下衆にいたぶられたシンデレラ姫。嗚呼、嗚呼、と叫び狂うマゾヒストなのだわ。わたしったらとてもいけない子。

「ご主人様、そろそろ……」

「ほしいのか?」

「はい……」

囲炉裏の明かりはゆらゆらとしており、薄暗い家の中で幻想的なぬくもりを演出している。その世界の中でベッキーは舞った。ギルーの裸体上で踊ったのだ。二人は完全として獣の奏者。喘ぎを道具として演奏会を開いている。

ベッキーはとても支配されている気持。

だってこんなに太いペニスは初めてなんですもの。威圧的で攻撃的で、それでいてごりごりしている。わたしはさいしょ、裂けちゃうんじゃないかなって心配したけれど、やっ

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