小説 運タマギルー 21

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のだから糞の臭いなんか我慢してしまえばよくなくて? あなたは変態。マゾヒストで変態のベッキーなのだわ。そうよ、わたしは愛液にまみれた学君の肉便器。なんにでもなってやるし何とでもいうが良くてよ。

朝食を済ませてから登校する。何時もの朝、何時もの毎日。異なっていることと言えば、今日も大胆な下着を着けているということ。色はシルクのレッド。ピンクのリボン付き。体育の授業はない。

今日は何が何でもやってやるんだから!

意は決している。

もうわたし、なんにでもなってやるのよ。なんでもしてみせるの。それがたとえばボルチオだったとしても。胃液を吐き出しながら、いいえ、心臓から血を吐こうとも学君のペニスを咥えこんで魅せるのよ。それから彼の顔を見つめるの。どう? とても素敵なおしゃぶりでしょうって。うふふ♪

今日は授業に身が入らない。考えていることと言えば砂場上のセックスのみだ。

したいしたいしたいの、わたし……。嗚呼、今すぐにしてしまいたい……。

結果、授業を抜け出して女子トイレでオナニーをしてしまった。とてもとてもくさいオナニーを、したのだ。それに何の意味もなさない。何の欲求解消にすらならなかった。

指をかき乱せばかきむしるほどに、余計に学君のペニスが欲しくてたまらなくなる。欲求未解消というやつだ。

もう、どうして? どうしてもっともっと欲しくなるの? やだ、もう指が止まらなくなっちゃう……。

結局、ベッキーはオナニーで潮を吹いた。アクメは膣を便器外へと向けさせ、潮はバババとばかりに激しくトイレのドアをノックした。突き刺さったのだ。

嗚呼、子宮が熱い……。熱くてたまらないの……。いっくぅ――! いっちゃう! 嗚呼――!

聖母マリヤ様、ごめんなさい。わたし、マゾヒストのベッキーはこの汚い女子トイレでアクメを迎えました。でも、でも、とっても気持ちがよかったのです。ほんとうです。けれどもそれは神の意向に反しているということなのよね? ねえ、そうなのでしょう? マリヤ様。わたしは、わたしは、もう元には戻れません。引き返したくはないのです。たとえ本当に学君の肉便器と化したとしても、私の心のどこかは、片隅は納得がいっているのです。本望なんですよ、マリヤ様。

剃毛している恥部をトイレットペーパーでぬぐい、シルクのパンティーを上げる。スカートのホックをつければ清楚な学生へ元通りだ。抜かりはない。このことは誰にも見つかってはいけないのである。便器の水を流す。潮で濡れたドアをひらいた。

最近の放課後はさいしょから学君と二人きりだ。親友の梓は気を利かして別の友達と帰宅していた。

今日もパーラーへ立ち寄る。此処のコニードックは何度食べても飽きが来ない。それからそれから怪談話。ひげ親父マスターの話術は非常に巧みで好感が持てる。

今日も運タマギルーの話かしら? けれども何度聞いても面白い話だわ。マスターったら話すたびに少し物語をいじるんですもの。それがたまらなく好き。うふふ♪

腹ごしらえを済ました後はいつもの公園だ。コンクリートでできた木模様のベンチへ二人して腰掛ける。寄り添うように。寄り添って。この瞬間から世界はメルヘンチックだ。まるでクリスマスのイルミネーション祭をしている広場のように、煌びやかで、温かみがあって、愛が溢れていた。沖縄に雪など降らないけれども、さむい! さむい! と発して腕へ抱き付き、思い切りよく自身のバストをこすり付けて求愛する。

ねえ? あなたは幸せかしら? もちろん至福の時でしょうね。うふふ♪ だってわたしのおっぱいを一人占めできるのはあなただけなんですもの。当然だわ。そうなのでしょう? 本当は陰湿で陰険で臭い学君♪ そんな貴方がわたしは大好きです♪

「今日はベッキーに大事な話がある」

え? 突然なに? もしかしたらセックスがしたいってこと? そのことをはなしたいの? それならあそこのむこうの砂場へ行きましょう♪

なんてことは言えない。しかし気になる。学君がきまり悪そうに発したからだ。

若しかしたら悪い知らせなのかもしれないわね。ねえ、学君。お願い、わたしを泣かせるようなことはしないで。あなたは明日銀行強盗でもするつもりなのでしょう? それともスーパーのレジ強盗かしら? いえ、ちょっとまって。学君がそんなことするわけがないじゃない。じゃあ、なに? これから全裸で公園内をダッシュすると言うことなの? そんな大それたこと、わたしは許しませんよ。これからわたしは学君のお母さんです。さあ、母乳を口いっぱいに含んで乳首をいやらしくお舐めなさいな。飲み干してしまいなさいな。さあ!

「今日のために詩を考えておいたんだ。聞いてくれるか?」

え? それって、散文詩による恋文? 学君ってすごい! そんな才能あったんだ? なんだかとっても素敵♪ いいわ、聞かして♪

新しい朝

新しい昼下がり

新しい夜

新しい君がいて

新しい僕がいる

毎日は当たり前にあるけれど

一つ一つは新鮮で

必然という奇跡でもある

僕は裸の君を抱きしめたい

それがひとつになると言う事だから

愛している

何と言えばよいのだろう? この詩へたどり着くまでに浮き足立っていた自分が恥ずかしく感じる。ベッキーは何だか落胆に似た失意を自身に感じた。

だって、そうでしょう? 学君はこうしてメルヘンチックに、それでいてクールにジェントルマンで、なにげなく、さりげなく、求愛を迫っているの。それなのにわたしったら、砂場でセックスだとかシルクのパンティーだとか。しかもあれでしょう? 猫の糞まで想定内であって、その匂いも素敵ね♪ だなんて……。本当に頭がどうかしちゃったのかしら?

「こんど、俺の部屋へ来ないか?」

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