自由詩 暗闇の中で

著書

滝川寛之の自由詩 *   暗闇の中で 手探りしながら歩み寄る ひとつ ひとつ 零さぬよう 私は歩いていた 彼方の母性 藁が敷かれた馬小屋 金星がひとつ輝き 旅人を待つ 世界が明るみになる朝 君は確かに存在する … 続きを読む

自由詩 滲んだ曇り空の下で

著書

滝川寛之の自由詩 *   滲んだ曇り空の下で 歩きゆく 歩きゆく 進んだ先の赤い花 黄色い花々と 緑色した台地が久しく 潜った先にある砂浜は 今日もさざ波を聴かす 遠くから海鳥が羽ばたきて 小魚の群れへ飛び込み … 続きを読む

自由詩 歩けど歩けど光がささず

著書

滝川寛之の自由詩 *   歩けど歩けど光がささず 闇夜の中 途方に暮れ 地団駄にし 涙も枯れ果て 恐れおののく力も沸かず 冷たい砂利へ仰向けとなり 奇跡を夢見る 遥かなる楽園の 裸で踊る女たちと 何処にでもいる … 続きを読む

自由詩 ほんの僅かなる香りの中で

著書

滝川寛之の自由詩 *   ほんの僅かなる香りの中で 一滴の音と共に ささやかな陽光と 君の後ろ姿 長い黒髪の毛先に触れると 滑らかで温かくて 恋々しく想う頃合に 私は詩を唄う 狂わされた懐中時計 軋みゆく光景と … 続きを読む

自由詩 明け方の雫たるや

著書

滝川寛之の自由詩 *   明け方の雫たるや ほのかに恋々しく 想いを解き放ち あの人の元へと 朝靄の中 独り身で歩く 君は起きただろうか 砂利道の音が鳴る 海を観ていた 西海岸 太陽は背中から上がる 私は詩人だ … 続きを読む