小説 運タマギルー 19

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ああ、そうだな……。なあ……?

なあに?

いや、やっぱりなんでもない。

もう、さっきから何でもない何でもないって、もうちょっと男らしくしてほしいな♪ はっきり言って♪

いや、本当に何でもないんだ。只、最近、詩を色々考えて居てな。よく一人の世界に潜り込んだりするんだ。

デートの最中だとか?

本当に御免な。

ぽつらぽつらある街灯は満月の明るさに入り混じっており、そのやわらかさの中にも日差しのような強さを僅かながら感じた。闇夜というには相応しくなく、おおよそ女子が夜道を歩くには絶好だと思った。

もうそろそろ秋になるな……。学君のその一言にどことなく哀愁を感じる。

そうね……。その思いに寄せてベッキーも寂しそうにつぶやいて見せた。

「じゃあ、きょうはここで。あしたね♪」

「ああ、学校で会おう」

”おやすみなさい”は、やわらかいソフトキスと共に。

あたかも二人だけの世界。此処には学君とベッキーしかいない夢のなか。現実の彼方。

嗚呼、それってすてきでしょう? そうなのでしょう? まなぶくん♪

ひめ。おててをはいしゃく。

よろしくてよ♪

さあ、ともにゆかん。ザナドゥ―のみやこへ♪

夢心地からさめる。けれども今日はもうさよならだ。その現実が両者を地面へ叩きつけた。

ハアハアハア……。なぜ? なぜなの? ねえ、どうして学君は行っちゃうの? ねえ! どうして!

今宵観た枕元の悪夢は騒然。けたたましくサイレン音と罵声、それから奇声が交錯する。

嗚呼……、わたし、もうだめ……。

朝、目が覚めるとおねしょをしていることに気が付く。

なんて恐ろしい夢だったの? わたしったら、わたしったら、脳内では悪夢を恐れているのだわ。心のどこかで終焉を感じているのよ。それって悪夢以上の何物でもない。はやく、はやくこの危惧感を消滅しなきゃ! でも、どうすれば消えてくれるというの? マリヤ様、教えてください! わたしはどうすればよいのでしょうか?

彼の前で裸になるのです。一緒纏わぬ姿で彼の胸元に飛び込むのよ。

嗚呼、それはつまり……。セックス? 抱かれるということなの?

そうよ――!♪ あなたは抱かれて抱かれて抱かれ尽くすのよ――!♪

それはつまり?

あなたはバンズに挟まったジャンクハンバーグなのよ――!♪

ジャングジャングジャング……!♪ 嗚呼――!♪”

まあ!♪ なんてことなの? それではまるっきり落ちた巫女ではないのかしら?♪

そうよ――!♪

ジャングジャングジャング……。♪ 嗚呼――!♪

けれども、それもわるくはないわ……。♪ マリヤ様――!♪ わたしは巫女になりますとも――!♪ そうしてジャングジャングジャング……。♪ 嗚呼――!♪

あなたはパラダイスを夢見ているのね――?♪ けれどもそれは実際地獄なのよ――!♪ ジャングジャングジャング……。♪

おねがい!♪ 夢から覚めて!♪ 夢から覚めるの!♪ ”嗚呼――!♪

もう終わったことなのよ――!♪

終わってなんかないわ!♪

それじゃあどうする――?♪

わたしは、わたしは今スグに抱かれたくはないのよ――!♪

そう、それで解決するわ♪

終わりはないのよ――!♪ ジャングジャングジャング……。♪

いいえ!♪ ジャングはもう終いよ。さようなら、マリヤ様♪

学校へ登校する。今日は少し色っぽい下着にしてみた。お姉ちゃんから頂戴した代物だ。真紅のシルクにピンクのリボンが付いている。別に特段やりたいというわけではない。セックスをしたいという気分ではなかった。気まぐれの気分転換の様なものだ。学君へこの下着姿を見せるつもりは毛頭ない。言うつもりもない。なのに着けて登校した。

何故だろう? 本当に只の気分転換でしかなかったのかしら? ほんとうはわたし、すこし期待しちゃってたのではなくて? たとえば校舎のトイレで、だとか。

このおおきな県道をそこで曲がればスクールゾーン。道幅は半分になる。

県道の歩道に並んでいた街路樹の姿はなくなり、代わりとして頑丈な白いガードレールが連なっていた。確かに見た目には悪い。しかしながら致し方ないこともあろうに。みんなそう思っていた。ベッキーもそのうちの一人で、安全第一に整備されていることなど説明するまでもなかった。もう、そう言う年頃でもない。

「ベッキー!」

学君だ。

やっぱり今日も朝が早かったのね。もうどうしようもない人♪ でも、すてき♪ うふふ♪

手をつなぐ。そのまま門を抜けた。立っていた生徒指導の先生は何も言わない。

お前らは特別だ。朝がいつも早いからな。わっはっはっ!

それが先生の言い分だったものだから、校内でもこうして堂々と交際できる。至れり尽くせりだ。

「学君、あのね……♪」

ん? どうした?

急に恥ずかしくなる。とてもじゃないが今日の下着はシルクの赤だとは言えない。

しかもピンクのリボンまでついて……。キャー! どうしよう?

考えてみてもしょうがないではないか。着けて来てしまったのは仕方がない事。けれども理由が矛盾していることに彼女は嫌気がさした。結局、わたしは素直なシンデレラではないのよ……。

何もないままに学校が終わる。今日も帰りにいつものパーラーへ寄った。

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