小説 愛するということ 39

連載小説
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「施設の皆は雑草? 違う! 貴方は全部間違ってる。どうかしてるわ」

「おいおい、お前は違うと思っていたのか? それとも正樹たちと一緒に違う草にでもなれると思ったか? それならとんだ夢物語だ。忘れるな、俺達は皆捨てられて此処に居るんだ。世間から見れば俺達は人間じゃない。野良犬と同じ扱いさ。可哀想だとエサを与えられて何とか生きてるだけ。家族の愛も無ければ、外にある世間体の教養もない。良き未来への始まり? 誰かが言ってたけど、そんな物、俺達にはない。良き未来なんてある訳が無いだろ。もう最初から人生なんて終わってるんだからな」

「話にならない。貴方は馬鹿よ。どいて、もう帰る」

しかし、誰一人として彼女から退こうとはしなかった。

「お願い、此処を通して」

言って、恵は押し通ろうとした。しかし阻止され言われた。

「そう急ぐな。まだ話は終わっちゃ居ない」

「まだ雑草の話でもするつもり? うんざりだわ」

恵は健二を睨み付けた。

「そうさ、雑草の話さ。とにかく俺達は皆、雑草として生きるしかない。見下されて馬鹿にされない様に棘なんかも生やしてな。なのに、お前らはそれを分かろうともしないで、忘れていた」

「忘れてた? 忘れてる事なんか何も無いわ」

恵に言われて、健二は首を横に何度も振った。それから言った。

「此処に人並みの平和があって、それがそのまま続くと思ったか?」

「信じて祈れば終わらない。恵は正樹と――」

「これ以上聞きたくない!」

健二が遮り大きな声で言い返した。恵は一瞬たじろいだ。彼は続けた。

「どれだけ祈ろうと信じようと平和なんて来ないさ。誰にもな。だからお前らだけ幸せってのは、此処では誰も認めないし許されない」

健二が周りに目をやった。そして「おい」と、合図をやった。恵は健二の仲間に両腕を捕まれた。持っていた着替えの体育着やタオルは取り上げられそこら辺に投げ捨てられた。

「何? ちょっと、何よ」

恵は一瞬頭が真っ白になった。そして、まさか――と、そう察した時、「ちょっと、離して!」嫌!」命一杯に暴れて両腕を解こうとした。が、力及ばず、とても解く事など出来ない。健二はかまわず話を続けた。

「どんだけ叫んでも、もうお前は誰にも助けてもらえない。先生に言いつけて里親にでも出るか? まあ、女のお前が行けばただの島流しさ。俺の姉貴と同じ事になるだけだ」

健二が急に悔しさを滲ませた表情で涙を浮かばせた。

「俺は何回も見た……。まあ大した話しじゃないさ。只、世の中は不公平。下の人間は良い様に利用されるだけ。そして誰もその事に目をくれやしない。だから同じ事が繰り返される。ずっと犯されるんだ。俺の姉貴はな、取り上げられたんだ。壊されて盗まれた。それでも盗られた幸せは、そいつらを幸福にも裕福にもさせる。過ちが間違いじゃないんだ。なんでも不公平の下許されるのさ。俺の姉貴は生贄と同じで、欲求で飢えた人間の為に犠牲にされたんだ。悪い人間の為に良い人間が滅ぶ。おかしな話だろ? でも、それが答えなのさ。外では奴らみたいに吐き気のする成金の馬鹿笑いのネタに、俺達は一生良い様に利用される。本当の脳みそ空っぽの馬鹿に、弱みを握られてコケにされるんだ。そして無理やりにも力任せに取り上げられる……幸せをな。本当に与えられた不公平は毒だ。少なくとも此処ではな。もう沢山なんだよ。俺はもううんざりだし見たくないんだ。分かるだろ? 最初から最後まで此処では皆同じで良いのさ」

「可哀想な人。本当に可哀想な人」

哀れむと言うよりも責める口調で恵はそう言った。健二は思わず叫んだ。

「煩い! 黙れ!」

恵は再び健二を睨み付けて冷静に言った。

「貴方は全てを知る神じゃない。それに、不公平は貴方がそう思ってるだけ。出来事には必ず理由があるし、もっと他に考えるべき事は沢山あると思う。恨んでばかりじゃ、何時までも不公平のままだわ」

「黙れって言っただろうが!」

健二の平手打ちにより恵の頬が赤く膨れ上がった。

「只、マセただけのお前に何が分かる?」

「別にマセてなんかない。貴方が何も知らないだけよ」

健二が今度は思い切りに平手打ちをした。恵は余りの痛さに涙を滲ませた。

「雑草がはみ出して並びが悪いのを見つけた時、どうするか分かるか?」

「知らないわ。お願いだから、もう帰して!」

恵は再び藻掻いた。しかし解けない。健二は恵から見て恐怖を感じるほどに形相を変貌させた。そして言った。

「並びが悪けりゃ、引っこ抜いたり根っこから刈るのと同じでな、皆でそいつを引き摺り下ろして、もうはみ出した事が出来なくなる位に破壊して教えてやるんだよ!」

次の瞬間、健二が恵の着けているシャツのボタンを千切る様に強引に剥ぎ、彼女の前方を露出させた。

「嫌! やめて! 誰か、誰か助けて!」

恵はありったけの声で叫んだ。しかし、辺りには健二らグループ以外に誰も居なかった。もはや絶望。健二は、白いブラジャーのストライプを無理やりに肩からずらし、全体を下へと押し下げた。途端、想像していたよりも綺麗でとても成長した乳房が露出した。彼の股間に小さからぬ快感の波が押し寄せて来る。

「嫌――!」

両腕を健二の仲間らにがっしりと捕まれた状態から恵が叫んだ。

「足が邪魔だ。足も捕め! 横に倒すんだ。そうだ、よし、下も脱がせろ」

恵はスカートを捲り上げられた状態から下着を脱がされた。彼女は勿論抵抗した。しかし恵の反抗も空しく、その後、彼女は強引に無理やりに秘部を健二に愛撫され、健二から順番に性的暴行を長時間受けた。

「真っ先に恨むんなら、逃げた正樹を恨め」

「許さない……絶対に許さないから!」

しかし、恵の憎しみに満ちた声は誰の耳にも届く事はなかった。

 

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