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愛するということ

小説 愛するということ

  • 2022年2月22日
  • 0件

小説 愛するということ 83

滝川寛之の無料連載小説 正樹は戸惑った。これを受け取れば運命が変わってしまう。だがしかし、彼は今ある感情に負けてバンダナをそっと受け取ってしまった。もはや後には引けない。今、正に運命は劇的に変化を迎えようとしている。 「ねえ、正樹。さっきも少しだけ言ったことなんだけど……」 正樹はこの世界に何か異変を感じた。それは、何やら恐ろしい物というわけではなく、とにかく表現できない何かであった。そして次の瞬 […]

  • 2022年2月21日
  • 0件

小説 愛するということ 82

滝川寛之の無料連載小説 完全にもう一つの世界に支配されている正樹は言った。恵は訊いた。 「それ、本気で言ってるの?」 「ああ、本気だよ」 恵は何かを返そうとしたが、止めた。 「恵、お前は智彦と付き合って一緒になる。それがこの世界の運命――」 正樹が淡々と話しているその時。 「嫌! 聞きたくない!」 恵がありったけの声で叫んだ。彼女は続けた。 「あたしが想う別の人と結ばれるなんて嫌よ。そんなの絶対に […]

  • 2022年2月20日
  • 0件

小説 愛するということ 81

滝川寛之の無料連載小説 た。 「――どうしたの? 正樹」 言われるまで、正樹の時間は完全に止まっていた。 正樹と恵の二人は学校の校門を抜けて更に上の丘へと続く公道を、何を話すわけでもなく、ただゆっくりと寄添うようにしながら大切に歩いた。 一歩一歩にこの時の幸せな気持ちを持たせ、あたかも二人は交際しているかのように世界はそう見えた。ようやく近道となる公園へ近づいてきた。やがて正樹は口を開いた。 「な […]

  • 2022年2月19日
  • 0件

小説 愛するということ 80

滝川寛之の無料連載小説 「いや、夜、電話かけるよ。早く知りたいだろ?」 正樹はそう言って気を利かせたつもり。しかし、智彦の気持ちは異なっていた。 「うん、でも電話では遠慮しとくよ。誰にも聞かれたくないし」 「そっか……分かった」 彼の純情さを分からず申し訳なく思いながらも正樹は承知した。 「悪いな、正樹」 そう言うと、智彦は正樹の肩に片手をやった。 「いや、別に良いよ。これ位なんてことない」 言っ […]

  • 2022年2月18日
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小説 愛するということ 79

滝川寛之の無料連載小説 彼女は両手を胸元で握りしめてそう発した。その姿は、まるで祈りを唱えているかの様。 「ああ、おやすみ」 正樹はもう一度手を上げて言った。 正樹は家に帰り、やるべき事を全て済ませた後、ベッドで横になりながら聖書を読んだ。この先のもっと向こうの未来が記された言葉がきっと何処かにあるはずだ。 彼は一頁一頁を大切に注意深く読み進めていった。それは何日も続いた。そして正樹は、知らぬ内に […]

  • 2022年2月17日
  • 0件

小説 愛するということ 78

滝川寛之の無料連載小説 「とにかく、もう一つの世界みたいに不幸にならない為に俺は生きるんだ……。もう裏切りと失望は沢山なんだよ」 「余計分からない……。正樹、どうしちゃったの? なんか変だよ」 「御免、何でもないんだ……。それより、恵。今度、聖書貸してくれないか?」 正樹は考えていた。もう一つの世界で牧師となった園長や恵が話した聖書の言葉は、あたかも将来を教えているように、ほとんどが未来でその通り […]

  • 2022年2月16日
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小説 愛するということ 77

滝川寛之の無料連載小説 「公園に展望台あるでしょ。彼処から見ると凄く綺麗なんだよ」 正樹は恵の美声に感情が高鳴り行くのを感じながらも、この先に訪れる運命を不意に思い出した。 来年の今頃は自分とではなく智彦とそうするのだろうか? いや、しかし、正樹の見た記憶では、それは高校に入ってからのこと。正樹は違う高校に通っている。 それならば、果たして自分の見たこの世界の未来は本当なのか? 疑りたい気持ちは正 […]

  • 2022年2月15日
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小説 愛するということ 76

滝川寛之の無料連載小説 智彦が冗談交じりに同調した。 正樹はこの幸せな世界に今後訪れる運命を忘れた。 外から明るい日射しが教室の中にまで入っている。それはとても心地よく三人を取り囲み、これから始まる友情を芽生えさせるには十分な光。施設ではなく普通の人と同じくして生きている事の素晴らしさに、正樹の表情はとても明るかった。   智彦と恵に出会ってから最初の日曜日。正樹は智彦の部屋に午前中居た […]

  • 2022年2月14日
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小説 愛するということ 75

滝川寛之の無料連載小説 ふと、これからパートナーとなる隣の席の女の子が彼の目の焦点に入った。瞬間。正樹の見る視線が硬直を成して驚愕した。 何と言うことだろうか。紛れもなく確認をした其処には一つ年下ではなく同級生の恵の姿があった。 恵! 正樹は思わず口に出しそうになった。が、もう一つの自分がそれを拒んだ。この世界に居る正樹自身は初対面だからだ。当然、恵の事など知るはずもない。しかし、愛おしい感情は同 […]

  • 2022年2月13日
  • 0件

小説 愛するということ 74

滝川寛之の無料連載小説 「何ですか? 園長先生」 正樹は気になった。園長は思わず俯かせていた視線を正樹の顔に戻した。 「いや、これ以上話す事を私には許されていない。今、此処で言ってしまえば、君の運命を変えてしまう事になる。正樹君。君は与えられた運命をそのままに受け止めなければならない。とにかく、光の理由を知りなさい。そして最後に、ゆっくりと優しく目を閉じれば良い」 園長はそう言って微笑みながらも、 […]

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