無料小説 処女作品@「愛するということ」第八章 =47=

 その世界はまるで違っていた。場所は下校時の夕方だった。向こう側から伸びてきている公園の中にある道を、高校生のカップルがこちらへと向かって歩いてきた。ここは公園の高台に位置する場所で、丘の下に町並みと西海岸が一望できる。正樹の直目の前には、塗料でウッドに見せかけた固いコンクリートのベンチがあった。制服姿の二人は、向こうから歩いてくるなり、正樹の影を通り過ぎて其処に座った。正樹の体はまるで空気の様に、二人を何の抵抗もなくすり抜けさせた。周りには正樹と二人以外の人は見当たらない。正樹は、二人が自分の体をすり抜けた事実よりも、二人が智彦と恵である事に対して驚いた。二人はどうやら正樹の存在に気付いていない。座り込んでから話をしだしたのは、恵の方からだった。 “無料小説 処女作品@「愛するということ」第八章 =47=” の続きを読む

日記帳 @一期作品群の販売をやめようと考えている。

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私がアマチュア時代の作品と定めている一期作品について、アマゾンキンドルでの販売をやめようと思う。それらはすべてこのブログで無料公開して行く予定だ。二期作品からは販売へ回させてくださいね。無料公開は無いです。

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無料小説 処女作品@「愛するということ」第八章 =46=

正樹は今、夢とも現実ともいえない世界の中に居た。それはとても暗く寒い空間。正樹は其処で、自分のこれまでの人生を見た。只、漂うような感覚が今、皮膚の表面全体から感じる。正樹は暗闇に限りなく近いこの空間に一つだけ灯された光の中を、今、静かに覗いていた。光は、彼自身の記録を全て配列し映し出した物体。それはまるで、螺旋を描くDNAの様に、一つ一つの記憶が下から上へ繋がり捩れて伸びていた。光によく目を凝らすと、その中には、これまでの自分の記憶には無い記録が潜んでいる事に正樹はふと気が付いた。が、しかし、それでも今の正樹は、無表情に只それを含めて眺めているだけだった。途中、魂であろう正樹自身の一部が小さく千切れ、そして、一つの光景の中へと消えた。直後、入り込んだ場所となる光景が、全体を描いて脳裏へと鮮明に浮かび上がった。正樹は瞳を閉じてその光景だけに集中した。 “無料小説 処女作品@「愛するということ」第八章 =46=” の続きを読む

無料小説 処女作品@「愛するということ」第八章 =45=

愛すると言う事~第八章

香織が完全と居なくなってから、正樹は久しぶりに再び孤独な休日の繰り返しに戻っていた。彼女と別れてから最初の日曜。この日、正樹は一日中何もする気が起きなかった。正樹は今、部屋に一人物音を立てる事なく壁にも垂れて座り込んでいる。正樹は向かい側の白い壁の上辺りを見た。石膏ボードの上にクロスが貼られたこの窮屈な部屋の白い壁には、香織から貰った少し可愛い掛け時計が下っている。香織は二人の時間をこれから大切にしてほしいと、それを付き合って最初のころ正樹に贈った。正樹はその掛け時計をただ呆然と眺めては、香織の気持ちを踏み躙った自分に対して怒りとやるせなさを込上げた。恵の時と言い香織の時と言い、自分は何て勝手で愚かなのだろう。繰り返してしまった自分の浅ましさに、正樹は心底嫌気がさしたのだった。 “無料小説 処女作品@「愛するということ」第八章 =45=” の続きを読む