無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(16)

旅に出てから二回目の朝を迎えた。これで旅は三日目となる。この日の朝は、こんがり焼いた食パンにバターを塗って、濃厚な味のするチェダーチーズと、卵焼き、薄切りのトマトスライス、少し厚めに切り落としたハムにレタス、仕上げにホワイトマヨネーズと通常のマヨネーズを混ぜた物をたっぷりつけて挟んだ舞特製のサンドイッチとコーンクリームスープだった。それはそれはとても美味で、隆史はそれらをいっきに平らげた。 “無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(16)” の続きを読む

無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(15)

「隆史の奴め、やりおるわい」

テイクがブリッジデッキにて、にやけ顔でそう呟いた。

「どれどれ? フォーフォフォフォ! 今宵も仲良うしとるのう。フォーフォフォフォ!

甲板上を見るなりテルが笑ってそう言った。 “無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(15)” の続きを読む

無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(14)

少しばかりの時間、舞と隆史は歌のレッスンをした。その間、テイクらは演奏会の準備に取りかかっていた。

「テイクよ、演奏会などと貴様にしては名案じゃぞ。フォーフォフォフォ!

「やかましい! ワシは隆史があまりにも哀れでならんだけじゃ。姫様はこれからも人間と仲良くしていくじゃろうから、たとえ隆史が姫様の事を忘れても悲しみはほんの一時で小さいが、隆史にとっては大切な思い出が消えてなくなる……。せめて記憶がある内だけでも幸せを感じて欲しい……ワシはそう思っておる。隆史は死ぬのだぞ!可愛そうとは思わんか?“無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(14)” の続きを読む

無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(12)

テイクはブリッジデッキにて二人を眺めながら思い老けていた。

「……」

「おや? 今夕は何も言わんのかの?

テイクの側まで来てセベアが言った。テルが甲板を見て言う。

「今夕もお熱いようじゃの。フォーフォフォフォ!

「テルよ。隆史の命は、後、どれ位なのじゃ?“無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(12)” の続きを読む

無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(11)

その日の夕刻、隆史は甲板上で家族の事を一人ぽつんと考えていた。舞は夕食の支度で、何時もの様に隣には居なかった。辺りは“シン”としていて、一人で何かを考え思いふけるには絶好の機会だった。実は、隆史には父親が居なかった。三ヶ月前、離婚がようやく成立した。それまで母と父は別居生活を送っていた。 “無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(11)” の続きを読む