無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(22)

舞は今、真っ白な世界にいた。それは、まるで白い雲のように周囲には甘い匂いのする霧が立ちこめていて、舞はその香りに身を委ねているかのようだった。実に心地の良い世界だが、舞は何か大切な者を忘れている気がしてならなかった。それは一体何だろう。舞は考えた。しかし、この甘い香りに遮られて上手いこと思い出すことが出来ずにいた。すると、突然、どこからともなく声が届いてきた。

「――舞、目を覚ませよ! 舞、頼むよ。起きてくれよ」

その男の声に察するように、舞はこの世界は夢なのだと気付かされた。声は、なおも届いている。

「――舞、ほら行くぞ!こいつから離れろ! ほら!

一体何のことお言っているのだろうか? この時の舞には正直分からなかった。

「――舞……舞なんか……舞なんか大嫌いだ!

次の瞬間、突然と白い世界から舞の記憶が鮮明に蘇った。少年との出会い。少年との馴れ合い。そして、少年との恋――。

「隆史!

舞は目を覚ました。

「嫌! どいて!

舞が国王から無理矢理と離れた。

「おお! 姫様が目を覚まされたぞよ。奇跡じゃ! 奇跡じゃ!

テルとセベアが同調して興奮気味に叫んだ。

「舞姫殿……」

国王は正直絶句した。

「あの、……御免なさい! 私、行かなきゃ。……さよなら!

国王に舞はそう言うなり、翼を羽ばたかせて外へと向かった。

「姫様は隆史の元へと急いでおる。姫様!隆史は港の方におりますぞ~!

テルは足早に去ってゆく舞に向かってそう叫んだ。

「ありがとう。テル」

言った頃には、舞の姿はもう何処にも見えなくなっていた。

「ええい! 侮辱だ。その者共を城から放り出せ! 顔も見たくない」

そして、テル・セベアにテイクは城から追い出された。

「フォーフォフォフォ! 愉快じゃ、愉快じゃ」

テルが笑いながら言った。

「まったくじゃ。しかし、あれじゃの? 港の方とか御主言ったよの?

テイクがテルに尋ねた。

「そうじゃ。隆史は港の方にいる」

「それじゃ、あれじゃの。少し散歩でもしながら、ゆっくりと船に戻ろうではないか」

「フォーフォフォフォ! 二人に気を遣っておるな? テイクよ」

「……そうじゃ、遣っておるのが正直な所じゃ」

「フォーフォフォフォ! ならば、三人で仲良く散歩でもしながら帰るとしようではないか。仲良くの。のう? セベアよ」

「まったくじゃ。二人の邪魔は出来んよて、仲良く散歩じゃ。フォーフォフォフォ!

そして三人は遠回りに町並みを散歩しながら船へと戻っていった。

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