無料小説 処女作品@「愛するということ」プロローグ =2=

愛すると言う事 プロローグ

ここにひとりの人があって、神からつかわされていた。この人はあかしのためにきた。光についてあかしをし、彼によってすべての人が信じるためである。彼は光ではなく、ただ、光についてあかしをするためにきたのである。すべての人を照らすまことの光があって、世にきた。

彼は世にいた。言は肉体となり、わたしたちのうちに宿った。わたしたちはその栄光を見た。それは父のひとり子としての栄光であって、恵とまこととに満ちていた――

2044月の初夏――

僕の父である上間正樹は、一年前に亡くなった母の後を追うようにしてこの世を去った。六十七才だった。

四十九日が終わる頃、父の残した数々の遺品等の整理や処分などは、ほとんど全て片付いていた。後は落ち着いた頃を見計らってだが、上等の木箱に収められている父が執筆したであろうこの原稿に、ゆっくりと丁寧に目を通すだけ今日がその日に丁度ふさわしかった。

僕は書斎の中で自伝らしき原稿の一つ一つを丁寧と手に取り、途方もなく時を忘れてそを読んだ。

振り返ってみれば、僕の父は母が亡くなってからいうもの、何かに没頭する様子でこの部屋に一人閉じこもって居た。父が突然この書斎で倒れたあの日の夜、確かに母が最期を迎えた日に起きた現象と同じく、家中の明かりが更に熱を発するように、光を大きく隅々まではじいた記憶がある。僕は何気にふと、そう思い出しては、再び記憶の片隅にそれを戻し読書を続けた。

父は自然と海がとても好きだった。この家が建つ土地は、白浜がすぐある小高い場所に位置しており、僕が小さい頃、夕方の心地よい時間帯に、よく散歩などして楽しんだ。その思い出は、今も鮮明と色濃い。父の遺品の中にはとても古い写真があるが、それはそのままこの部屋に残しておいた。その内の一枚の背景には、その海辺が空いた隙間を埋めるようにして映っている。

 全ての原稿を手に取り読み終えた。

とその時、出窓から風が爽やかに入り込んだ。あの日もきっとこれと同じ匂いがもう一つの体をすり抜けたのかも知れない。片方のレースカーテンが一枚、風と同調して靡いている。

僕は流れた涙をそのままに、出窓の外へ顔だけ向けた。それから目を閉じ深呼吸した。優しさが胸を包み込むとても気持ちよい感覚を、今、感謝と共に実感した。

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