無料小説 アマチュア時代作品 @東京沖縄(5)

朝が来た。博史とスーは、素っ裸のまま、広いダブルベッドの上で横たわっていた。スーが起きた。少しだけ腕を伸ばしあくびを済ませてから、ゆっくりとした足取りで朝ぶろを入りに行った。シャワーの音が聞こえる。その音に気が付いた博史も、浅い眠りから目が覚めた。ふと時計を眺めた。時刻は八時二十分ころだった。とにかく部屋中に流れている有線の音楽が心地よかった。博史は気分よくテレビをつけた。日曜日のモーニングショーが目に入った。それを無気力に、只、ぼんやりと眺めていると、シャワーの音が消えた。今度は、ドライヤーを使っている音が変わりとばかりに聞こえてくる。 “無料小説 アマチュア時代作品 @東京沖縄(5)” の続きを読む

無料小説 アマチュア時代作品 @東京沖縄(4)

博史が二十一歳になるころ、彼の心は気が付かぬうちに東京の空と同じくダーク色に染まっていっていた。この東京に愛と呼べるものは何一つなく、笑い顔や優しさの全ては偽善でしかないと博史は悟っていた。そんな冷めた毎日を過ごしているうちに、博史は過食症を患った。食べては吐きの連続だった。それを見かねたのが韓国人のキムであり、毎週日曜の韓国教会の礼拝に一緒に行こうと誘われた。博史は断る理由がなかったため、キムと共に西新宿の韓国教会へ行くことにした。 “無料小説 アマチュア時代作品 @東京沖縄(4)” の続きを読む

無料小説 アマチュア時代作品 @東京沖縄(2)

次の日の朝になった。いよいよ東京での仕事が始まる。しかし、博史は緊張して昨夜余り眠れなかった。

「ヒロ。起きて! るあるか?

 チョーが博史を起こしに来た。ドアの鍵は開けていた。

「おはようございます」

「あい、おはよ」 “無料小説 アマチュア時代作品 @東京沖縄(2)” の続きを読む

無料小説 アマチュア時代作品 @東京沖縄(1)

東京沖縄

著者:滝川寛之氏

 博史は地元沖縄の公立高校を卒業した後、東京の建築屋へと出稼ぎに上京していた。

 羽田空港からモノレールを乗車するときは大変だった。何せ電車という物は沖縄では見かけたことがなかった。その為、ホームをうろつくばかりか切符を購入するのでさえもおどおどとしており、心臓の鼓動は非常に高鳴っていた。 “無料小説 アマチュア時代作品 @東京沖縄(1)” の続きを読む