無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(24)最終話

「それじゃ、行ってくるわね。テイク」

幾つものロープを一生懸命に解いているテイクへ申し訳なさそうに舞は言った。

「いってらっしゃい。姫様」

がっちりとキリキリに縛られたロープを外す作業はかなりの力仕事になるが、余裕の素振りを見せつけてテイクは返した。

「隆史、行くわよ。ほら、手を繋いで」 “無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(24)最終話” の続きを読む

無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(23)

「隆史!何処にいるの?

舞は大声を張り上げながら隆史の姿を探した。大きな倉庫が立ち並ぶ船着き場に到着した。だけれども、隆史の姿は無かった。舞は倉庫前に山のように積まれたコンテナなどの隙間をやたら探し回った。

「隆史!お願い。姿を見せて」

隆史はとうとう見つからなかった。舞は渋々船に戻った。するとどうだろうか、キッチンの方から物音が聞こえてきた。 “無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(23)” の続きを読む

無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(22)

舞は今、真っ白な世界にいた。それは、まるで白い雲のように周囲には甘い匂いのする霧が立ちこめていて、舞はその香りに身を委ねているかのようだった。実に心地の良い世界だが、舞は何か大切な者を忘れている気がしてならなかった。それは一体何だろう。舞は考えた。しかし、この甘い香りに遮られて上手いこと思い出すことが出来ずにいた。すると、突然、どこからともなく声が届いてきた。 “無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(22)” の続きを読む

無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(21)

晩餐会は夜の8時頃始まった。それは、部屋に招待されてから実にあっという間の時間を与えぬほど早かった。なにせ、国王への挨拶が大分遅かったためであったが、その時間の早さに一同心の準備という物が出来ていなかった。それは、慌てた様子で皆部屋を後にした。晩餐会に招待されたのは舞達だけで、他にはこの国の王族のみしか居なかった。

「やっぱり下心丸見えだよ」

隆史のその囁きが一同を納得させた。 “無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(21)” の続きを読む

無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(20)

テイクは幾つもある船着き場へと舵を切った。嵐の前であったためか、何処の船着き場もよそ者からの船で一杯となっており、空いた場所を見つけて着岸させるまでには時間が掛かった。時刻は夕方の六時を回っていた。

「ふう、ようやく辿り着きましたな」

テイクがロープをがっしりと陸に固定してから言った。 “無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(20)” の続きを読む

無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(18)

「もう、隆史のせいで昼食の時間が遅れそうよ。もっと急いで切って!

「はい、はい。分かりましたよ。まったくさ、料理なんか作ったこと無いのに、いきなり包丁なんか使えるわけ無いじゃないかよ。舞は少し厳しすぎるよ」

「文句言わないの。ぶつ切りなんだから簡単でしょ? 誰にでも出来るわ」 “無料小説 アマチュア時代作品 @川辺にて(18)” の続きを読む